だったら蒼空たちはどうやったら救われるの?


耐えるしかないなんて、そんなの酷すぎるよ。


「私、何かできることないかな…?」


こんな話を聞いて、何もせずにいられるわけがない。


何か力になりたい。


蒼空を助けたい。


蒼空を守りたい。


目の前で涙を流した蒼空。


あんなに明るくて太陽みたいな蒼空が、初めて本当の姿を見せてくれた。


本当の自分をさらけ出すのは怖い。


勇気を出して話してくれた蒼空の思いに応えたい。


「理解者がいてくれてるってだけで充分だよ。ありがとう」


「でも…っ」


なにもできない。


虐待やDVを見過ごすことしかできない。


そんなのおかしいよ…。


「ありがとう、花純」


力なく微笑んで、パンケーキを食べ進める。


「美味しいよ。花純も食べて」


今どんな気持ちでそう言ってるの…?


蒼空は、誰にも何の期待もしない…?


世の中へ絶望してる…?