「やっぱり定員は2人かなー。ここで二人で話して心を癒やす時間も必要だし」


……何の話だろう。


私の話?


なんで蒼空は私の心の傷を見抜いているんだろう。


それとも、蒼空の話?


蒼空にも癒やしたい傷があるの…?


「蒼空も悩んでることあるの?」


「ん?別にないけど、いずれ悩むかもしんないじゃん?」


…いいなぁ。


羨ましい。


「あ、強いて言えば、勉強ができないのが悩みだな」


「ふーん…」


勉強…か…。


「花純は?勉強得意?」


「……うん」


苦手ではない。


いつも学年トップを取るように言われ続けてきた。


そのための塾代、参考書代は惜しまず出してくれていた。


その期待に応えなきゃ、親のガッカリする顔を見たくない、その一心で毎日毎日勉強していた。