ジャーン!と見せびらかす仕草をした蒼空の手の先には、小さな滝が懸命に透明な水を流し続けていた。


私の身長とそんなに変わらないくらいの滝。


「時間帯によっては虹がかかったりもするんだけど、今日は残念」


蒼空が切り株に腰を下ろしたから、私も近くの切り株に座ってみる。


滝の周りを半円を描くように切り株が6つほど存在している。


「定員は6人?」


「ん?」 

 
「切り株が6個あるから」


「あー。定員は1人かな。ここは1人になりたい人が来る場所だから」


…そうなんだ。


じゃあなんで私に教えたんだろう。


「もし蒼空が1人になりたいときに私がここにいたら嫌じゃないの?」


「嫌じゃないよ。花純がここで傷を癒せるなら、俺はなんでもいい」


……。