赤嶺くんにすべてを話した翌日。


学校に着いた途端に、後ろ指さされているような嫌な雰囲気を感じた。


まるで中学生のあの頃のような、陰湿な空気。


女子の敵意ある眼差しが突き刺さっている気がしてならない。


「おはよう、花純!」


そんな空気をつんざく奏の明るい声に救われる。


「おはよう…」


昨日、学校近くの道で赤嶺くんにキスされた。


誰かに見られていてもおかしくない。


また、いじめられるかもしれない。


赤嶺くんは人気者だ。


私なんかと付き合っていると噂になれば、大変なことになる。


「昨日、赤嶺となんかあった?」


奏が周りを気にしながら言った。


「うーん、まぁ…」


やっぱり噂になってるか…。


赤嶺くんとのキス。


蒼空の耳に届いたらヤダな…。


まぁ、そもそも私のことを覚えていないみたいだけど。