痛む足で無理して私を追いかけて来てくれた。


蒼空は来てくれなかったけど、赤嶺くんは来てくれた。


もう、それが答えなんじゃないか。


私が苦しみから解放されるには、赤嶺くんとこのまま…。


「俺がフラれ続けてた理由って、アイツ?」


返事はせず、無言でうなずく。


赤嶺くんの反応が怖い。


どう思うだろう。


重い女だって幻滅する?


変な奴だって幻滅する?


「アイツと何があったの?」


「……付き合ってた。でも急にいなくなった。久しぶりに再会したら私のことは忘れてた」


ただ、それだけのこと。


もう、やめよう。


蒼空は私のことなんて何も覚えてない。


きっと、蒼空の中で私の存在なんてちっぽけだった。


覚えておく価値もないくらい、どうでもいい存在だった。


「そのくせ、将来の約束なんかしちゃって、バカみたい」


はじめから期待させないでよ。


嫌いだ。


もう、蒼空のことなんて、どうでもいい。


関わりたくもない。


もういい。


ずっとずっと彼を求めていた私がバカだった。


私が苦しんだこの2年間、蒼空は私のことを気にも留めず普通に生活してきたんだと思うと、とてつもない虚無感に襲われる。