「蒼空も、わざわざありがとう。助かった」


「俺は何も。暇つぶしてたらたまたま出会っただけで」


「ふーーん?今日引っ越してくるの知ってたから、駅の近くウロウロしてたんじゃなかったんだ?」


「ち、ちげーよっ!たまたまだよ!」


「へぇ〜?」


おじいちゃんと蒼空はどんな関係なんだろう。


ため口で喋ってるし、家の中や畑にも遠慮なく入っていたから、親しいんだろうけど、どういう仲…?


「うるせーなっ。花純にこの村の案内する予定だから、もう行く!」


「はいはい。門限は守るように」


「ほーい。じゃ、花純行こ」


タタタタタ!と畑を駆ける蒼空の後を追い、私も走る。


走ると言っても、足元がでこぼこしてるから早歩きみたいなものだけど。