「あ、でも、金髪なのは親への反抗でもあるから、深刻な顔しないで」


奏が物憂げな顔で私の髪を触っていたから慌てて付け加える。


「今はご両親と暮らしてるの?」


「うん。蒼空がいない村にはいたくなくて、こっちの高校を受験したの。戻ってこいとも言われてたし」


蒼空を失って1ヶ月は引き篭もり生活をつづけていた。


おじいちゃんおばあちゃんや萌音たちのサポートのおかげで、なんとか食欲を取り戻し、気力を取り戻し、秋が終わる頃には学校に行けるようになった。


そこから猛勉強することで蒼空のことを頭の中から追い出し、ここ名門私立神南(じんなん)高校の合格を掴んだ。


受験期は蒼空を忘れるために必死に勉強して、勉強以外のことは考えないように頑張った。


だけど、受験が終わってからはまた、蒼空に頭を支配される日々が続いた。


それは今でもそうだ。


せめて、生きているのかだけは知りたいのに。


それすらも分からないまま2年が経つ。