「風呂掃除は後でいいから、出掛けよう」


「え、今から?」


もう8時過ぎてるけど…。


こんな時間にどこへ?


「今夜、流れ星がたくさん見れるらしいよ。4人で見に行こうかと思って」


「流れ星見たい!!」


「俺も!!行こ!!」


キラキラと顔を輝かせ、玄関へ駆け出す蒼空。


蒼空にはずっとこのままでいてほしい。


流れ星に願うとするならば、私は蒼空の幸せを願う。


蒼空が苦しみから解放されますように。


ずっと笑っていられますように。


その時隣にいるのが私でありますように…。


「森下さん、俺がここで花純に告ったの知ってて連れてきた?」


おじいちゃんが連れてきてくれたのは、1年前のあの日、蒼空に告白された高台。


あの日見た花火は、人生で1番綺麗な花火だった。


「あら、そうだったの?この場所は、私たちも思い出の場所なのよ。ね、あなた?」


おばあちゃんがニッコリ笑っておじいちゃんを見つめた。