蒼空の心の奥底には、“俺なんか”という蔑みが根付いている。


それを取っ払ってあげたいのに、10何年間虐げられてきた過去は決して消えず、私にはできることが何もない。


それでも、伝え続けることで少しずつ変わっていってくれると信じている。


蒼空が私を変えてくれたように、私が蒼空を変える。


「これ以上俺に深入りすると、花純の人生が穢れるよ」


「ばーかっ。穢れていた私を純白に戻してくれたのが蒼空でしょ?逆だよ逆」


「…そっか、逆か」


ふふふっと笑って、コテン…っと私の太ももに頭を乗せてきた。


金色のサラサラの髪を撫でる。


穏やかかな表情で身を預けてくれる蒼空に、愛おしさがこみ上げる。


「好きだよ」


「俺も好き。花純と一緒にいると癒やされる」


「私も」


蒼空は私の心の拠り所だ。


だから。


「ずっと一緒にいたい」


ずっとずっと…蒼空のそばに。