蒼空が連れてきてくれたのは、小学校の裏にある高台。


パッと鮮やかに咲く花火が、一切の障害物もなく綺麗に見える。


こんなにいい場所なのに、人は少ない。


「蒼空って本当にこの村に詳しいんだね」


こんな素敵な穴場スポット、人が殺到してもおかしくないのに。


「登ってくるのちょっと大変だから人が少ないの。いい場所でしょ?」


「うん。すごく綺麗…」


赤、青、緑、オレンジ、紫、ピンク


いろんな色の花火が打ち上がっては散ってを繰り返す。


「わぁ!今のハート型だった!」


思わず蒼空の方を振り返ると。


「ん…っ」


蒼空の唇が私の唇に触れた。


柔らかくてあたたかい。


「ハート型の花火の時にキスしたカップルは永遠に結ばれる、って言い伝えがあるんだよ」


ニコッと笑ってまた空を見上げる蒼空。
 

……続きは?


それで終わり…?