「森下さんには完敗。今までごめんね。お幸せに」


「あ…ううん、ありがとう…」


やっぱりすごくいい子だ…。


こんな素敵な子にずっと想われていたのに、蒼空は彼女を選ばなかった。


どうしてだろう。


本当に真中さんを選ばなくていいのかな。


私なんかが蒼空の隣にいていいのかな。


「あいつ、何言ってたんだろ。意味分かった?」


「…うん。蒼空って鈍化なんだね」


真中さんは蒼空を諦めた。


あんなに蒼空にベッタリだったのに、引き際はあっさりしていて真中さんらしい。


「そうかな。あ、くじ引きここじゃね?」


蒼空も真中さんも、方向性は違えど素直で真っ直ぐに生きている。


そういうところが羨ましくもあり憧れでももある。


「へー。当たりが出たらギフトカードで、ハズレでも駄菓子貰えるんだって。超いーじゃん。俺5枚くらい引こうかな」


「もしかして大吉が出るまでおみくじ引くタイプ?」


「え、なんでわかったの」


純粋な驚き顔が愛おしい。