「蒼空上手すぎない?」


「俺の特技だからね」


得意げにヨーヨーを2つ手に取り、残りは水槽に戻す。


薄紫のヨーヨーと、水色のヨーヨー。


お互いが最初に狙っていたヨーヨーだ。


「どっちがいい?」


「水色!」


蒼空が紫を、私が水色を、片手に持っておじいちゃんの屋台を後にする。


隣の射的には目もくれなかった。


「ねー、くじ引きあるよ。当たりが出たらギフトカード貰えるってさ」


なるべく茅野家の屋台から遠い場所へ行きたい。


くじ引きはほとんど反対側にある。


「いいじゃん、行こ行こ」


ヨーヨーをポヨポヨ弾ませながら私の手を引き、くじ引きの方へ向う。


ナチュラルに手を繋がれ、また胸がドキッと弾む。


「花純の手、小さいね」


「蒼空が大きいんだよ」


手を繋いで初めて知った。


蒼空の手は大きくて暖かいけど、折れちゃいそうなくらい細い。