「あの紫のヨーヨー、花純の浴衣に似てる。俺あれ狙い」


「じゃあ私は、そこの水色のヨーヨーを狙うね。なんとなく蒼空っぽいやつ」


「花純に取れるかなぁ?」


意地悪く笑う蒼空がこよりとボウルを渡してくれた。


「多く取れたほうが勝ちね。じゃ、森下さん審判よろしく!」


勝負事になったら真剣そのもの。


真面目な顔して水槽に向き合う蒼空が可愛い。


「時間は30秒。よーい、スタート!」


スタートと同時に水槽の水が動き始め、狙っていたヨーヨーのゴムが下の方に沈んでしまった。


狙いを変え、濃い青色のヨーヨーにチャレンジ。


でも上手くすくえない。


チラっと蒼空を見ると、すでに3つもボウルに溜まっている。


そして4つ目が取れたところだった。


「え、うま…」


「こーゆーのはね、コツがあるの」


「コツ教えてよー」


「やだ」


「ケチ」


結局、私は0個、蒼空は5個の完敗。