カゴに荷物も入れさせてもらい、荷台にまたがる。


「ちゃんと掴まって。もっとギュッと」


手を掴まれて、強引に腰に手を回させられる。


かなり密着する格好になり、心拍数が跳ね上がる。


甘くて良い香りがする…。


「じゃ、しゅっぱーつ」


そんな私の気も知らないで、蒼空は呑気に自転車を漕ぎ始めた。


重たいはずなのに、フラフラもせず安定感抜群。


慣れてるって言ってたから、他の女の子とも二人乗りしてるのかな。


まぁこんなにカッコよくて良い人だもん、モテるよね…。


彼女とかいるのかなぁ。


いたらこんなことしないか。


好きな女の子はいないのかな。


…気になる…。


「風、気持ちいいっしょ?」


「うん、気持ちいい」


蒼空の甘い匂いが風に乗って鼻腔をくすぐる。


この匂い、好き…。


蒼空の匂いも背中も、落ち着く…。


今日初めて会ったとは思えない。