小学校に着くと、既にたくさんの人が集まっていた。


入り口でもらった団扇に地図と店舗案内が印刷されている。


ザッと50軒くらい屋台が立ち並んでいて、すべて回るのは大変そう。


「お腹空いてる?」


「うん、ペコペコ。蒼空は?」


「俺もー」


案内を見ると、食べ物だけでもたくさんあって選びきれない。


焼きそば、フランクフルト、たこせん、かき氷、綿あめ、たこ焼き、お好み焼き、ケバブ、お団子、フルーツ飴などなど。


どれにしようかな。


「何食べたい?」


「焼きそばにしようかな」


「じゃ、そうしよっか」


二人で焼きそばを買って食べ、デザートにいちご飴も購入。


蒼空は飴が好きじゃないみたいで買わなかった。


屋台を行き来する間ずっと手を繋ぎっぱなしで、言葉では言い表せないほどの幸福を感じる。


好きな人と手を繋いで夏祭り。


こんな幸せなこと、あるんだ…。


私がこんなふうな幸せな一日を送れるなんて、思ってもいなかった。