―ガラガラ!

「花純ー!!」


噂をすれば、蒼空の登場だ。


「じゃあおばあちゃん、行ってくるね」


ドキドキする。


変じゃないかな…?


可愛いって思ってくれるかな…?


私ができる最大限のメイクとヘアセット、褒めてもらえるかな…?


そもそも浴衣似合ってるのかな…?


ドクドクと心臓が暴れている。


ここの角を曲がれば蒼空のいる玄関だ。


ふーっと一息ついて、角を曲がる。


「…っ!!」


そこには、息を呑むほどカッコいい蒼空が立っていた。


前髪をアップにしていて、髪はウェーブにセットしている。


ただでさえ美しい外見に、いつもとは違う新鮮さが加わり美しさに拍車がかかっている。


「花純可愛い…。ホントに可愛い…」


そんな美しい顔が緩み、いつものニコニコ顔に戻った。


待って、そのカッコよさで褒められたら、私…心臓持たない…。