「夏祭り、一緒に行こ」


え…?


…蒼空から誘ってくれた…?


「その顔は、花純も同じ内容だった?」


コクリと頷くと、蒼空は嬉しそうに笑ってくれた。


「よしっ、なら決まりね!7月31日!」


蒼空がスマホに指を滑らせ、ジャーンっと画面を見せてくれた。


カレンダーアプリで、31日のところに【花純とお祭りデート♡】と書き込まれている。


「私も…真似しちゃおっかな」


蒼空のこういうところが可愛らしくて好き。


素直に感情表現してくれるのが嬉しい。


「楽しみだな〜。花純は浴衣着る?」


「うーん、浴衣があるかどうか分かんない。帰ったらおばあちゃんに聞いてみるね」


お祭りなんて久しく行っていない。


幼少期に一度だけ家族で行った気がするけど、あまり記憶には残っていない。


実質初めてのお祭りかもしれない。