蒼空は…真中さんと行くんだろうか。


今も視線の先で2人が一冊のノートを見ながらケラケラ笑っている。


何の話をしているんだろう。


夏祭りの話はもうしたのかな。


約束、しちゃったのかな。


「あ〜〜。そういうことね!蒼空と行きたいんだ?」


「うーん…。でもまぁ、蒼空には真中さんがいるから」


邪魔しちゃ悪いし。


また真中さんが怒っちゃうし…。


「誘ってみたら?」


「無理だよー…。もう真中さんと行く約束してるんじゃない?」


「そんなの分かんないでしょっ。がんばれ花純」


両手でガッツポーズを作る萌音。


「もしダメだったら私たちと一緒に行こ。だから一旦誘ってみな?」


真中さんと蒼空には、二人だけの世界がある。


今もそうだ。


椅子を寄せ合ってノートを囲んで、2人のキョリはゼロ。


目を合わせてクシャッと笑って、時折ボディタッチをして。


あんな恋人のような雰囲気を見せられたら誘おうにも誘えない。