「ねー…蒼空。今夜、うちに来ない?」


「え?」


少しでも彼の傷を癒やしたい。


役に立てるかどうかはわからないけど、それでも何もせずにはいられない。


「日和ちゃんと一緒に、うちでお泊りしようよ」


「うーん。花純たちに迷惑かけるのは嫌」


「迷惑じゃない」


「逆上した親父に何されるかわかんねーんだぞ」


「それでも、それは迷惑なことじゃない。蒼空のためになることなら、私はなんだってする」


人に頼ることを迷惑なことだと思わないでほしい。


迷惑なんかじゃないんだから。


「花純の気持ちは嬉しいけど、今日花純の家に逃げたって、その場しのぎでしかないから。だから大丈夫」


「突っぱねないでよ…。頼ってよ…」


一人で抱え込もうとする。


本心も弱みも全て隠そうとする。


心の奥底に封じ込めようとするのが蒼空の悪いところだ。