蒼空を待つ間、おじいちゃんに連絡を入れようと思ってスマホを開く。


よかった、電波はちゃんとあるみたいだ。


圏外だったらどうしようかと思ってた。


おじいちゃん家の電話番号を打ち、発信ボタンに触れる。


「あっ、もしもしおじいちゃん?花純だけど」


『お〜花純ちゃん。久しぶりだなぁ』


「そ、そうだね…」


会った記憶はないけど…。


最後に会ったのは2歳頃らしい。


そんなに前のことなのに、おじいちゃん覚えててくれているんだ。


「今ね、茅野蒼空くんって人におじいちゃん家まで送ってもらってるから、お迎え来てくれなくて大丈夫になったよ」


『へーー、蒼空にかぁ。そうかそうか。わかった、気をつけて来るんだよ』


「蒼空のこと、知ってるの?」


『この村の子で知らん子はおらん』


そっか。


田舎ってそういうところか。