「…よそ者とかさぁ…なんなのあいつ。言っていいことと悪いことぐらい理解しろよな…」


ため息混じりに吐き出された愚痴。


イライラを我慢しようとしているのは伝わるけど、眉間にシワがいくつも寄っている。


「私なら気にしてないから。さっき真中さんにも謝ってもらったし」


「…そういう問題じゃない」


「私のために怒ってくれたの?」


「…うん。花純が前の学校で経験したいじめの発端に似てるなって気づいて。もしかしたらトラウマ誘発したんじゃないかなーって思った」


蒼空は優しいね…。


人のためにあんなふうに怒れるなんて、心が綺麗な証だ。


「…俺さぁ」


言葉を区切って深呼吸する蒼空。


ジッと自分の両手のひらを見つめている。


「…やっぱり、親父の血を受け継いでるんだな」


「え…?どういう意味?」