2人の口論がヒートアップしていく。


私だけじゃなく、クラスメイトたちも2人に注目している。


「昨日森下さんと街に出掛けてたの知ってるんだから。紬の誘いは断っといて、森下さんとは出掛けるなんてズルい。しかも二人乗りなんかしちゃって、ほんとムカつく」


「紬には関係ないだろ」


「その趣味悪いキーホルダーだって、森下さんとお揃いなんでしょ。紬とお揃いで買ったストラップは外して、そんなのつけて、なんなの?」


「俺が誰とどこに行こうが、何をつけていようが、紬には関係ない。口出ししてくんな」


“趣味悪い”と言われカチンと来たのか、蒼空の語調が強まった。


だけど真中さんも引くつもりはないみたいだ。


「森下さんが来てから蒼空変わったよね!なんか紬に冷たくなった」


その矛先が徐々に私に向き始める。


「は?花純のせいにすんなよ。俺と紬の問題だろ。花純は関係ない」


「ほら、そうやってすぐ森下さんを庇う」


「そりゃそうだろ。何も悪くないんだから」


「学校休んでた時、紬には何の連絡もくれなかったのに、あの子には連絡してたんでしょ。前までは私に連絡くれてたのに」


「いちいちそんなことまで首突っ込んでくんなよ!俺の勝手だろ!」