翌日、鞄にキーホルダーをつけて登校すると、それに気づいた蒼空が嬉しそうに笑いかけてくれた。


10センチくらいのクマのキーホルダー。


私のは赤色のドレスを着ていて、蒼空のは紺色のタキシードを着ている。


「蒼空、そんなの付けてたっけ」


真中さんが蒼空のキーホルダーに目をつけ、尋ねる。


その視線が私の鞄にも移り、ムッと眉間にシワが寄った。


「昨日買ったー。可愛いっしょ?」


「森下さんのと似てる」


不服そうな真中さん。


蒼空はなんて答えるんだろう。


おそろいだって言うつもりなのか、隠すつもりなのか。


怖くて真中さんを直視できないけど、鋭い視線を感じる。


「昨日森下さんとどこ行ってたの?」


「んー、紬には関係ないことじゃん?そうカリカリすんなって」


「やっぱり二人で出掛けてたんだ。最近、紬とは出掛けてくれないのに」