「じゃあ俺が何万回でも言う。花純が素直に受け取ってくれるまで、ずーっと伝え続ける」


なんて真っ直ぐな人なんだろう。


苦しい環境に置かれているのに、どうしてこんなに澄んだ瞳で人を見つめられるんだろう。


「…蒼空はすごいね」


私は、ひねくれることで自分を守ろうとした。


蒼空みたいに、真っ直ぐに向き合うことなんてできなかった。


「……。指輪、どれがいい?てか、お揃いにするなら学校に持っていける物のほうがいい気もする」


「それもそっか。じゃあ、キーホルダーとか?」


「そだね」


蒼空のこと…もっと知りたいな…。


蒼空が真っ直ぐでいられる理由、しんどくても明るく振る舞える理由、いろんなことを知りたい。


千花さんに保護されたときの話も…、真中さんとの関係についても…。


蒼空のことを知れば知るほど、もっと知りたくなって、終わりがない。


これから長い時間をかけてゆっくりと、蒼空のことを知れたらいいな…。