朝食は簡単に、目玉焼きと白米、それから残り物の味噌汁で済ませた。
そうしている間にも洗濯機は終了の音を鳴らすものだから、急いで中身を取り上げて、干して――諸々と終えて手も空くと、私はまた楽譜に目を通す。
これで何冊目、何曲目になるだろうか。
ふと、これまで読んで来た楽譜の山を見返した。
まだ手付かずのものと区別する為、読んだものは順に積んでいっている。
ざっと五十冊くらいだろうか。どれも分厚さが異なるから、詳しい数字は分からないけれど。
これだけ読んだところで、弾けるのはむこうの世界。まだしばらくはお預け。
途方もない時間がかかりそうだ。
「うーん……やっぱり一旦、片付けますか」
自分でこうしておいて何だけれど、元が綺麗好きな私には、あまり耐えられない惨状だ。読むことに夢中ですっかり失念していた。
とは言いながらも、せっかく区別して置いているのだから、また分からなくなってしまっても困る。そんなことを思いながらも、私は楽譜の山々に手を伸ばす。
コツンと指先が触れると、その僅かな振動だけで、山は簡単に崩れてしまった。
「……なるほど、片付けろって言ってるんだね」
肩を落として溜息を吐きつつ、私は倒れ散らばった楽譜に手を伸ばす。
そうしている間にも洗濯機は終了の音を鳴らすものだから、急いで中身を取り上げて、干して――諸々と終えて手も空くと、私はまた楽譜に目を通す。
これで何冊目、何曲目になるだろうか。
ふと、これまで読んで来た楽譜の山を見返した。
まだ手付かずのものと区別する為、読んだものは順に積んでいっている。
ざっと五十冊くらいだろうか。どれも分厚さが異なるから、詳しい数字は分からないけれど。
これだけ読んだところで、弾けるのはむこうの世界。まだしばらくはお預け。
途方もない時間がかかりそうだ。
「うーん……やっぱり一旦、片付けますか」
自分でこうしておいて何だけれど、元が綺麗好きな私には、あまり耐えられない惨状だ。読むことに夢中ですっかり失念していた。
とは言いながらも、せっかく区別して置いているのだから、また分からなくなってしまっても困る。そんなことを思いながらも、私は楽譜の山々に手を伸ばす。
コツンと指先が触れると、その僅かな振動だけで、山は簡単に崩れてしまった。
「……なるほど、片付けろって言ってるんだね」
肩を落として溜息を吐きつつ、私は倒れ散らばった楽譜に手を伸ばす。