嘘だ、そんなわけない。

 だって依澄くん、あんな真剣に好きだって言ってくれたんだから。

 ……でもララちゃんが嘘ついてるようにも見えない

 全部、全部演技だったってこと?

 違う、そんなわけ……


 そう思ったとき、鏡にうつる自分と目が合った。

 そこには、どんなに着飾っても地味な私。


 そんな私に縋りついて泣くララちゃんは、ドラマのワンシーンみたいでやっぱり可愛いくて

 きっとララちゃんが依澄くんと外でアイスを食べても、嘲笑する人はいないんだろうなって思った。


「お願い……私たちの幸せ、邪魔しないで……っ」


 どっちが依澄くんの彼女にふさわしいかなんて、歴然だった。

 ポタ、と、私の目から落ちた水滴が、俯くララちゃんのキレイなうなじに落ちた。