「あっ、変……?なに着たらいいかわからなくてっ」

「かわいいです」

「……!」

「かわいすぎます」

 依澄くんは真顔で言う。

「あ、ありが、とう」

 が、頑張ってよかったぁ~っ!
 
「髪、自分で巻いたんですか?」

 依澄くんがおもむろに私の髪を掬って、さっきと違う意味でドキッとする。

「うん……っ」

「眼鏡は?コンタクトしたの?痛くない?」

「っ、うん、だい、大丈夫」

「え、もしかしてちょっとメイクもしてる?」


 全部言い当ててしまう依澄くんに、どうしようもなく恥ずかしくなってきて、依澄くんから逃げるように顔をそらしながらうんうん、と頷いた。


「……これ全部俺のため?」

「っ……!」


 まさかの核心に触れられて、一気に顔に熱が集中する。

 何も言葉を返せない私は『そうです』って言ってるようなもので、恥ずかしさのあまり顔を俯かせた。


「はー、マジか……えー」


 依澄くんの少し困ったような声に、サァ、と血の気が引く。

 引かれた……?やっぱり気合い入れすぎた……!?