「ビ、ビックリしたぁ~…!」


 涙目でホッと胸をなでおろすと、依澄くんがハハッと笑った。


「なんですぐ気付かないの」
 

 その笑顔に、キュンと胸が高鳴る。

 
「ご、ごめん」

 私が謝ると依澄くんがまた楽しそうに笑うので、私もつられて笑う。

「おはよ、彩美先輩」

「あ、おはよう、依澄くん……」


 改めて挨拶したところで、依澄くんの格好を意識した。

 わ、かっ、かっこいい…!

 白Tにさらっと羽織ったジャケットが大人っぽく、雑誌のモデルさん顔負けのおしゃれさだ。

 いつもの制服もかっこいいけど、私服はさらにかっこよく見えた。

 さすが依澄くん……!


「てかなにその恰好」


 その依澄くんが真顔で言って、ドキッとする。