「ダメですよ。無防備な笑顔見せてそいつが先輩のこと好きになっちゃったらどうするんですか」

「えっ、?」

「気をつけてください」

「は、はい、はいっ」


 こんな近さで話されたら、きれいすぎる顔にドキドキしちゃって全然内容が頭に入ってこない……!
 
 
「……伝わってます? つまり何が言いたいかって言うと」


 依澄くんはスラリとした手で私の指を掬った。

 
「他の男に嫉妬するぐらい、先輩のことが好きってことですよ」

「……!!」


 顔の表面温度が急上昇するのを感じた。

 依澄くんはそんな私をジーッと見つめて、


「はー……かわいい」


 そうぼやいた。
 

「っ、え……っ」

「あっすいません心の声がもれました」

「こっ心の声って……!?」

「ところで先輩。これは提案なんですけど」

「テイ、テイアン」

 目まぐるしく話が切り替わっていくので、もう頭がパンクしそうだ。