近くの自販機でそれぞれあったかいコーヒーと紅茶を買うと、わたしたちは近くの公園の中へと入っていった。

 大粒の雪が、公園の中に転々と続く街灯の淡い光に照らされ、ひらひらと舞い降りる。

 音もなく雪が降り積もる様は、なんだか別世界にでも来たみたい。


 少し階段をのぼって小高い丘の上にある東屋に着くと、わたしたちは荷物をおろした。

 幸い大きく張り出した屋根のおかげで、テーブルやベンチは無事みたい。

 それに、すぐ近くの街灯が東屋の中をぼんやりと照らしてくれていて、二人でささやかなパーティーをするには十分な場所に思えた。


「ははっ。栞、雪だるまみたいになってるぞ」

 スーパーから五分くらいの道のりだったけど、目深にかぶったフードにまでしっかり雪が積もっちゃった。

「そういう奏だって」


 二人して体中の雪をパンパンと払うと、向かいあってベンチに腰かけた。