まさかのペア対抗戦で千瑛と組むことになり、動揺しまくってガターの連続だった。



そんな私に千瑛は相変わらず優しくて、思わず泣きそうになった。



「やった…!ストライク!」



あまりの嬉しさに思わず千瑛にいつも通り笑いかけてから、しまったと後悔する。



千瑛はふいっと目を逸らすと席に戻っていってしまった。


当たり前だ。千瑛にとって私はもう過去なんだから、何を勘違いしてしまったんだろう。もう一度あの日常が戻ることなんてないのに…。



「茉莉花ちゃん、すっごいねー!ガターばっかだと思ったら、めっちゃ綺麗なストライク決めるなんて!見てたこっちが気持ちよかったよ!」



褒めてもらいたいのはこの人じゃないのに。


千瑛は女子に引っ張られていき、投げ方を教えてあげている様子だった。


…それにしたって、距離が近すぎる。てかあれ、手握ってない?