翔side



りんちゃんは安心したのかこてっと眠りについた


俺は佐藤さんにりんちゃんを任せて龍のところに行く





翔「龍〜海斗と連絡取れたー?」



涼「それが電源を切っているみたいだ」



翔「相当忙しいんだろうな、笑」


思わず苦笑いしてしまうほどばたばたしている海斗が想像出来る



涼「そうだな。それより……」

翔「ああ……」



談笑していた俺たちは目の色が変わってナースステーションにいる後藤という先生を睨むように見る

また、りんちゃんに近づいて緊急でもない検査を担当医に変わってするなんてありえない話だ。

前にも海斗からもなんなら院長さんからも注意を受けているはずだ。



涼「どうする」


翔「りんちゃんとはちゃんと向き合う。
多分これから回診も、聴診だって時間がかかるかもしれないけど、大事なダチに任された患者さんだ。
後藤先生…いや、あの人のことは海斗に任せる
俺は今正常にものを判断できそうにない。」



怒りとか悔しさとか今は感情が交差してあの人に1mでも近づけば殴ってしまいそうだ。



涼「まぁ、翔は近づかない方がお互いのためだな」



龍は俺の事よくわかってるなと心の底から思う



……



しばらく外来を担当していると電話がかかってきた



翔「はい、高橋総合医療センターです」



海「翔!」


電話の相手は海斗だった。俺の声と気づいたのか焦っている



翔「どうした龍と連絡したか?」



海「いやさっきまでオペ中でな龍から何件か電話来てて折り返したんだけどかからなくて翔も繋がらないから心配でさ、」




翔「それがさ……」



それから俺は海斗に今まであったことを話した

俺がいない間は龍に回診をお願いしてたこと
検査を待ってもらってる間にまたあいつに不快な思いをさせられたこと、発作が起きて危なかったこと。




海「そうか。わざわざ知らせてくれてありがとな」



翔「いや、悪かった。俺が1人で待たせていなきゃ…」



そうだ、俺が全部悪いんだ…なんであいつのせいにしようとしてるんだ俺、俺のせいでりんちゃんが……



海「…う!翔!またあのこと思い出してんのか?
りんのこと助けてあげられたんだから自分を責めるなよ。」



翔「そうだな、じゃまたりんちゃんの様子診てくるから」



海「おう。よろしくな」



そう言って電話を切ってりんちゃんの病室に向かった