いよいよ検査の日。


何をするのか言われていない不安と結果が今から怖くて萎縮してしまう





コンコン


(あれ?今日は神楽先生のはずじゃ…)



涼「りんちゃんおはよう」


り「おっおはようございます!」



涼「どうした?」


り「あっ、いえ、神楽せんせーかなって思ってたので」



涼「悪いな、あいつ9時からで……」


り「全然!大丈夫ですっ!」



検査も龍甲斐先生がするのかと思った……


びっくりしたぁ、、、、



……



涼「はい、終わり〜
検査どこ行くかわかる?」



り「はい!9時に待合室って聞いてます!」



涼「大丈夫そうだね。今日は午前外来ないから待合室誰もいないけど気にしないでね、はいこれ」



文字が並んだ一枚の紙を渡された



涼「これ持って行ってね。翔に渡して」




はーい!と返事をすると龍甲斐先生はふっと笑って手を振りながら病室を出ていった



点滴を外してもらって朝ごはんを食べ終えるともう8時50分だった



私の病室は個室でトイレもついているから
病室の外に出るのは空港に行った日以来。



待合室にとぼとぼ行くとほんとに静まり返っていた



ソファのような席に座ってぼーっとしていると
神楽せんせーではない、でも聞き覚えのある声が廊下の奥から聞こえた




?「君〜?今日は外来ないよ?どこから入ってきたの?あれ入院着きてる?」



近づいてくる声にビクッとして恐怖心を感じる……


恐る恐る顔を上げるとそこには、、、





「っ!!?」



見たことある人…なのに全く思い出せない、
思い出したくないような、白衣を着た中年の男の人……




?「あ、検査?どれどれ見せて…へぇこんな検査するんだ、あー神楽先生か9時からだったよね?まだ来ていないから先に検査しておこうか」



さっき龍甲斐先生が渡してくれた私の持っている紙を見て何か言っているけど…怖い……



会ったことないと思うのにどこかで、、と感じている自分がいる。




考えている私を他所に白衣を着た男の人はごにょごにょ言っている



?「りんちゃんだね。はい着いてきて」




り「え!あの、!ここで待っていてと神楽せんせーに…」



?「大丈夫大丈夫!後で話しておくから〜先に検査するよ」



え、まって、、無理だよ!!!
名前も知らない先生に検査されるなんて無理!



り「あの、私ここで待ってます!!」



?「いいから。着いてきなさい」



なになになになに、いきなり目の前に現れて知らない人に着いてこいと!?



あーはぁはぁ……息苦しっ……



?「なーに涙目なってんの?検査怖いの分かるけどさぁ早く行くよ」



恐怖から息苦しくなって涙目になる私を検査を怖がっていると思い込んでる。



それもあるけど今はただ単にこの人が怖い。



?「はいはい。抱っこするね」


突然触れられて抱っこされても入院してる女子が勝てるはずもなく暴れてもおだてられるだけ。


誰もいない待合室にもう声も出ない私と中年の男の先生の足音が響く。




診察室に入って椅子の上に座らされる



り「はぁはぁゴホッゼェーゼェーハァ…」



?「はいはい落ち着いて。検査長いからね」



ほんとにこの人がするの?てか何するの?というか勝手に検査していいの?



そんなことが頭の中でぐるぐるする。




?「まずは聴診と触診と……」



恐ろしい言葉が聞こえてから間もなく、聴診器が近づいてくる……


体も動かず、声も出せない私は息をすることに集中するしかない。



体に触れるとさらに息が上がる…



?「深呼吸〜、、無理だね。
よし、鎮静剤入れよう。」



出来るわけないでしょ!!!!?


って今なんて言った……無理無理無理!!



私が思いっきり首を振ると、



?「はぁ……聴診はもう少し落ち着いてからにしよう。まだ検査が怖いんだよね、うんうん、先に触診しよう」



もう喘息の発作が出かかってるにも関わらずこの人はまだ検査を続けようとする。



もう無理……っそう思った時。


男の人の手が胸に触れて私は気を失った。