私は貴男に感謝しています。

入院して薬を飲み始めた私ですが、どの薬も合わず、何回も薬を変えました。

その結果、千人に一人の確率でなる“悪性症候群”と言う重篤な副作用が出てしまいました。

全身の筋肉に力が入らなくなり、手脚が動かなくなって、瞬きすらできなくなりました。

その後一ヶ月以上意識が無かったそうです。
  
悪性症候群が少し改善された頃、認可のいる特別な薬を使われる予定でした。

それに不安感を覚えた貴男は、「最初に使っていた“ジプレキサ”少量から試してみてくれないか」と、医師に提案してくれて、それは受け入れられました。

ジプレキサは入院した当初に使われた薬でしたが、私が手脚の怠さや不調を訴えたため、使われなくなった薬です。

しかし、父の言った通りに少量から試すと、見事成功しました。

もしあの時貴男がいてくれなかったら、そう考えると少し恐ろしいほどです。


悪性症候群になる前にも同じようなことがありました。


その時一番最初に私の異変に気付いてくれたのはお母さんでした。

舌を出してよだれを垂らしている私を見て、母はベテラン女性看護師二人に様子がおかしいと訴えました。

しかし看護師は二人とも「病気の症状だから」と言い、問題にしませんでした。

それでも私の症状は絶対今までと違う、危険だと思った母が、若い女性看護師にもそれを伝えてくれました。

彼女が医師にその話をすると、医師は私の様子を見に来てすぐに、「これは副作用だから薬を変えましょう」と言いました。


家族の支えが無かったら、私は絶対に今のような普通の暮らしに戻れていませんでした。