(蓮side)

どうしろって言うんだ…。

隣で可愛く眠る横顔を見つめながら、俺は心で悪態を吐く。

触れたい、抱きたい、めちゃくちゃに愛したい。

心菜と再開してから、この気持ちをなんとか理性で封印し、ひたすら修行僧のように耐え忍んでいる。

そんな俺の気持ちなんかこれっぽっちも気付かないで…。

可愛いさと無知な無邪気さで俺を誘惑する。

触れられて熱を持った下半身をどうにか宥めながら、天使のような寝顔をひたすら見つめ続ける。

医師からたとえ解禁されようと、とても怖くて触れられる訳が無い。

大事な大事な心菜の体だ。
お腹の子に何かあったら、心菜に何があったらと、少しの外出も気が気では無いんだ。

そんな神聖な彼女を、俺の醜い欲で汚す訳にはいかない。

1年くらい大した事ない、我慢してみせる。
妊娠を知った時から俺の中で誓いを立てた。

だけど守り通す意思を、時々こうして彼女に寄って大きく揺さぶられる。

だからといって、心菜以外欲しくは無い。

彼女が全て俺の原動力であり、生きる意味であり、証なのだから。

2度と手放さないよう、失わないよう、大事に真綿に包むようかのような扱いで、全ての火の粉から守り抜く。

俺の決意は揺るがない。

人の気も知らないで…。

なかなか治らない下半身を鎮めるために、そっとベッドを離れ浴室へと向かう。