それから、しばらく彼女が去った道を眺めて。急いで控室に行った。
ガチャ
「遅れてわりぃ。」
「あ~!やっと来た。遅いよとうくん!」
「そうだよ。いくらすることがないとしても、いろいろと話しておきたかったんだから。」
あ~あ。あいつ、どこにいるんだろう。ここにいるんだったら、ライブ会場内にいるか?
「とう、聞いてる?」
「こいつ全然聞いてねぇだろ。」
帰りに絶対にあって、連絡先と名前聞いて...やべぇ考えるだけで顔がにやける。
「うわ。とうがにやけてる。きめぇ。マジで今日何か起きる?」
「確かにいつも無表情のとうがにやけるなんて珍しいね。何かうれしいことでもあったの?」
「何で話さなくちゃいけねぇんだよ。」
「え~だって気になるじゃん」
「それは俺も同意。」
「チッ........好きな奴ができた。」
「「「「は?」」」」
「え?もう一回言って。」
「ま、まじか。」
「ど、どうしてそんな急に?も、もしかしてradianceのファン?」
「radianceじゃねぇ。【俺の】ファンだ。」「うわぁ。独占欲の塊だ。」
「お前、好きな奴できると独占欲と嫉妬がヤバいタイプか。」
「えー?どうして好きになったの?あの、ファンサどころか笑顔も向けないことで有名なとうくんが好きな子ができる
るなんて。」
「radianceや東雲財閥の御曹司ではなく【俺自身】を見てくれていたから。」