~30分後~

「ガチごめん、また泣いちゃった。」

「いいよ、紗奈は悪くないんだから。」

「うん、ありがと。じゃあ、そろそろ帰るね」

「あ、」

「ん?」

「…二葉先輩じゃなきゃダメなの?」

「え?」

「そんなに泣いて、泣かされて…辛くないの」

「辛いよ…?」

だから泣いてるじゃん、

「じゃあ…」

そういうと、遊が私の腕を引っ張ってきた。

「?!」

急に距離が縮まり、心臓がドクドクと音をたて始める。

「俺にしなよ。」

「…はい?」

「だから、そんな辛い思いして二葉先輩と付き合うよりいいと思う。」

「…たしかに遊の彼女は幸せだなって思うよ?でも、なんで私?」

「俺はずっと紗奈しか見てない。」

「え?じゃあ今朝言ってた好きな人がいるから女子の告白を断ってたのは…?」

「紗奈が好きだから断ってた。」

「…はぁ、」

え、待って待って…遊が、私を好き?頭が追いつかないよ…

「俺は紗奈を泣かせたりなんかしない。」

「…考えさせて…ください…。」

「おん。俺にも可能性があるってことでいい?」

「…うん」

最低だ…最低だ、私…二葉くんがいるのに「うん」って言っちゃった…。でも、これではっきりした。

「…分かった。」

「…じゃあ、また明日。」

「…おう、じゃあな。」

…私は、誰が好きなのか。はっきりしたよ。