「やっほ~紗奈!お母さんだよ。」

私の目から何かが落ちた。

「…久しぶり、お母さん。」

なぜかわからないけど、話しかけずにはいられなかった。

お母さんは色々話してくれた。

その日にあった事。

お昼の話。

散歩中にみた猫の話。

「紗奈…落ち着いて聞いてね…?」

…そして、お母さんは初めて私に病気の話をした。お母さんは病気らしい。

そもそも、お母さんの担当のお医者さんには何も聞かされなかった。だから、死因がなにかも知らない。

なぜ病院にずっといたのかも、知らなかった。でも、病気だったなんて。

しかもその名は「天気病」。

この世にはひとつだけの病気がある。1人の人にしかうつらない特殊な病気。

その1人の人とは…その人の子供。しかも、その病気は1番最初にできた子供にしかうつらない。