サマーフェスティバルの開催が決定した。7月、日曜日にやる。自由参加だ。地域の人や生徒の友人、家族もOK。
 放課後、朝都は手芸部の部室を訪ねた。
 朝都は手芸部の部室の戸をノックした。
 「はい」
 と、ユキの声がした。
 がらがら。
 引き戸が開いた。
 ユキが顔を出した。
 「大川さん」
 「東条君」
 「あのう、サマーフェスティバルのことなんだけど」
 と、朝都。
 「ああ」
 「手芸部のブースだけど、出すことに決定した」
 ユキは笑顔になった。
 「そうなんだあ」
 「詳細はまた連絡するから」
 「ありがとう」
 「じゃあ」
 「じゃあ」
 ユキがドアを閉めた。