う、うーん。取れなかったらなんて考えたことなかったよ。

取れるか、じゃなくて取るって思ってるし?

なにより………、



「取れないことの想像したくない!
そんな想像したらどんどん気分も行動も落ちていくし。
今できることはデート目指して頑張ることだけだから、死ぬ物狂いで勉強するのみ!
頑張ることしかできないんだから!」

「…………すご。」



「ん?んっ?すごいって!?

ありがとう深冬くん!初めて褒めてくれたぁ。

あ、もしかして私と付き合ってくれる気になった?」


「…………」



ありゃ、返事ない。


私の目を見て固まってるんですが?

どういうこと?


「おーい。深冬くんー。
おーい。美しいかっこいい深冬くんよ。」



ダメだ、反応しない。


あっ、イタズラしちゃお!

固まってるから何しても気づかなさそうだし、優しいし、これぐらいなら許してくれるよね!



そう思ってにししとペンを持って深冬くんの手のひらに


"ボケーッとした深冬くんもかわいいねっ♡"



うーん。勢いでしたけどキモい?


え、私相当キモいやつ!?

やりすぎだった?
結構大きく書いちゃったし。
怒られるかな。




ていうか深冬くん固まったままだし、え、ほんとに大丈夫かな?


「深冬くんっっっ!!」


大きな声で叫ぶと



「はっ!」

「大丈夫?深冬くん。」


「あぁ。」



なんか顔赤くない?


「は。何これ。」

「あ。」



深冬くんの視線はさっきペンで書いた大きな文字が。