「…………ねぇ。
明日、絶対氷降るわ。」
私は朝早くから学校に来て勉強をしていた。
少し経つと沙里が来て、この世の終わりみたいな顔をしてこっちを見ていた。
そんな顔しないでくださいよ。沙里さん。
「ん?明日は晴れだってよ。
そういえばね、この数式ってすごいんだよ。」
「愛冬。あんた変なものでも食べた?
吐きなさい今すぐに吐きなさい!」
「変なものなんて食べてないよ?
しっかりご飯、目玉焼き、お味噌汁。
3食食べてきたよ?」
なにを言ってるの。
「じゃあ何で勉強してるのよ!!」
手を止めずに机に向かっている私を見て叫ぶ。
そんな叫ばなくても………。
ふっ、ふん〜。
「教えてあげましょう。
この生まれ変わった天才っ!愛冬様が。」
「………そんな茶番いいからさっさと教えろ。」
ヒィぃぃ!沙里さん顔怖い!
「だ、だから!テストで全教科平均以上取ったら深冬くんがデートしてくれるって!」
「えぇ!」
「本当なんだよ。沙里さん。
だから私は今日から猛勉強することに決めたんだ。」
「清葉くん絡みか。なら納得だわ。」
早速、今日の昼休み先生にわからないところ聞きに行こう。
「清葉くんパワー。恐るべし。」
横でそう呟いた沙里の声は全く聞こえていなかった。