細田さん。

巻き込んでしまって、本当にごめんなさい。



私が罪を認めます。



本当はお金なんて盗んでない。


でも私が盗んだことにすれば、細田さんは誰からも責められずに済むから。




椅子に座る細田さんの隣に到着した私。

机の前に立つ総長様を、ビクビクしながら見上げる。



「実は……私が……」



ドロボーのレッテルを貼られる覚悟で声を震わせたのに、私がこの続きを言えなかったのは


「先輩の皆さん、ハーイ! ごきげんよう~」


教室の前側のドア付近に立ち、手を優雅に振る金髪王子

大人気モデル『高瀬(たかせ)(とばり)くん』の登場に、クラスメイトの視線が彼に釘付けになってしまったから。