一番後ろの席に座る細田さんが、怯えるように肩を震わせている。

顔は真っ青で、いつも笑顔を振りまいている人と同一人物だとは思えないほど。



私より先に総長様が、細田さんの机の前に到着してしまった。

総長様は机に両手を着き、犯人を追い詰めるような冷たい目を、細田さんに突き刺している。



「なぁ? 花園(はなぞの)姫歌(ひめか)がオマエの金を盗んだって、ほんと?」



「あっ……えっと……」



今にも泣きそうな細田さん。

どう返事をすればいいか、困り果てているんだろう。



顔を絶望色に染め、言葉を詰まらせている細田さんを見ているのが、私は苦しくてたまらない。