私は立ち上がると、奪われていたお弁当箱を取り返した。

ふたを閉め、お弁当を抱え教室のドアに向かう。



「コラ! 逃げんな!」



甲高い女子の怒り声に肩がビクッとなり、足を止めてしまったのが運の尽き。


「うちらを無視したらどうなるか、身をもって教えてあげる」



ブレザーの背中部分を掴まれ、私の体が後ろに傾いていき、床に投げ飛ばされてしまいました。



背中が床を滑っていく。

勢いがついたままゴン。

私の頭が、教卓の足の角に食い込んだ。



……うっ、激痛。



倒された時に受け身をとらなかったのは、総長様が作ってくれたお弁当をどうしても守りたかったから。