「今朝、悲鳴が聞こえたと通報がありまして。お話を伺ったところ、特に問題はなかったようですが、別の事件の捜査でお話を伺いたく」


「えっと…はい、その、一緒に住んでます」


「その男性とはいつ頃から同居されているのですか?」


「最近…です」




わたしを観察するように見つめる、キリッとしたつり目をおずおずと見つめ返す。


お巡りさん…。

これは、チャンスなのかな。

弥斗さんは捕まるような悪い人じゃない、って伝える。




「具体的には?」


「先週の、日曜日です」


「なるほど。その男性とはいつ出会いましたか?」


「…」


倉山(くらやま)さん?」




お巡りさんは表札を見て、わたしに視線を戻した。


どうしたらいいんだろう…。

弥斗さん…。




「お話できない事情でも?」