弥斗さんを引き離そうにも、強く押し返せなくて困っていたら、インターホンが鳴った。




「あ!お客さんです。ね、弥斗さん、離してくださいっ」


「無視したっていいだろ」


「よくありませんっ!ほら、留守だと思われちゃいますっ」




とんとんと胸を叩いたら、弥斗さんは渋々といったように腕を離してくれる。

今朝みたいにならないように、弥斗さんにはリビングで隠れてもらって、わたしは「はーい」と玄関に出た。




ガチャッ


「はい、どちら様ですか?」


「失礼、私は警察の篠宮(しのみや)海未(うみ)と言います。こちらのお宅では最近、男性が住み始めたとか」


「け、いさつ…!」




ドキリと心臓が跳ねる。

咄嗟(とっさ)に後ろの方を見てしまった。