自分でも甘ったるいと思う声を出すと、詩伊は震えながら「は、はい…っ」と答えた。

嘘でも、詩伊が俺を求めているような気分を味わえて、口元が緩む。




「嘘…でも、詩伊が嘘吐くわけないし…」




嘘を吐かない詩伊に、嘘を吐かせてる。

その事実が背筋をゾクゾクと震わせるほどよくて、もう少し求めたくなった。

俺はまた詩伊の耳に口を寄せる。




「詩伊、俺の首に抱き着いて、キスして」


「へっ!?」


「じゃないと、疑われたままだぞ?」




これは、詩伊にはキツすぎるか…。

そう思いながらも、欲望は止まらない。


どこまでやってくれるかな、と詩伊の動きを見つめていると、震えた手を俺の首に伸ばしてきた。

肩を抱く手を腰に下ろして、詩伊の目を見つめると、詩伊は恥ずかしがるようにギュッと目を瞑って、真っ赤な顔を近づけてくる。




「詩伊!?」