先輩、私と気まずいんだ。


そりゃそうだよね。


先輩にとって私は“ただの後輩”だから。


告白した後で、どう接すればいいのか分かんないのは当然だ。


(アタックするって決めたけど…)


“ただの後輩”から“1人の女の子”に変われるのかな?


「あ〜もう!私頑張れよー!」


「彩が急にやる気出した」


うつ伏せ状態から真正面を見て、自分の頬をパンッと叩く。


「うお、痛くねぇのかよ」


龍輝の声は当然のように無視。


痛いとかそんなんじゃない。


ただ、こんな私が嫌だから。


先輩の特別になりたいんでしょ?


だったら、見てもらうように頑張るしかないじゃん。


「痛くない」


「じゃあ早く切り替えて。


彩、まだ問5までしか解けてねーぞ。


終わんねーと帰れねーぞ」


ハッ。


「わぁああん、早く終わらせなくちゃ…!」


とりあえずまずは課題…!