トコトコと火が灯っているキャンプファイアーの中心部に着く。


櫂先輩が私に話したいことって何だろう……?


……ん?


このパターン紗奈ちゃんの時もあったよね!?


もしかしてだけど『別れたい』とか言われないよね!?


そういえば…、私は1つ気になっていたことを思い出した。


「せ、先輩っ…!」


「ん?」


「あのっ、元生徒会長とのことなんですけど……」


「?何で元生徒会長のこと?」


「えっと、その、噂で流れてたことがあって…」


ずっと気になっていた。


先輩と元生徒会長さんとの関係。


あの一軍女子3人組が認めるほどの人だから、きっとすごい人なんだろうけど…。


先輩、何て言うんだろう…。


今好きな人じゃなくても、過去に好きだった人とか、付き合ってた可能性だってあると思うから元カノとかって言うのかな……。


「……彩、元生徒会長の名前知ってる?」


「え?」


内心ビクビクしながら先輩が口を開くのを待っていた時、先輩は思わぬことを口にした。


元生徒会長さんの、名前……?


「日暮凛先輩。聞いたことない?“日暮”って」


“日暮”……?


日暮って、つい最近どこかで聞いたことあるような……?


あっ!


「もしかして、柊先輩のお姉さんだったりしますか!?」


「正解。凛先輩とは生徒会で柊のお姉さんって知って、まぁ生徒会帰りに前行ったカフェで寄り道するくらい程度の仲だったんだ。


柊の迎え行くのがその時日課でね。今は受験勉強中だから全然行けてないんだけど。


てか凛先輩は他校のしかも大学2年生の彼氏いるんだよね」


「え…えぇ!?そうなんですか!?」


「噂は噂だからね。あいつらむちゃくちゃなデタラメ流したな…」


じゃあ私、噂とか2年生の先輩の発言を鵜呑みにしすぎてたんだ…!!