今、とんでもない非常事態が起きている。


私、龍輝に、告白され、た…………?


「えぇっと…、私…富谷先輩のことが…」


「それ抜きで考えて」


「う。そ、そんなこと言われたって…頭が色々追いつかないよっ…」


約10年間ずっといた幼馴染の龍輝が私を好きとかありえないと思ってたから。


てか、好きどころか本当は嫌いなんじゃないかって思うくらい、好きって態度が出てなかったよ…!


「じゃあ、もっと簡単に教えてあげる」


私のおでこに龍輝のおでこがコツンと当たる。


んんん…!!!?


「え、えーっと、龍輝くん?」


「俺今すげードキドキしてっけど」


彩は?といつもとは違う真剣な眼差しで私を見つめる龍輝。


こ、これは…っ!


かなり距離近いじゃないですか…!


けど、そう思うだけで、


『…あははっ、もしかして、ドキドキしてたりしたの?』


あの時の富谷先輩にやられたようなドキドキとか恥ずかしいのにすごく嬉しいという気持ちはそこにはなかった。


「…彩、俺本気で彩のこと好きだ。だから、今返事をしてほしい。


俺のこと1ミリでも好きになれる可能性あるなら俺頑張るから」


「っ…」


「俺じゃ、ダメ?」


かぁあと顔が、全身が、熱湯してるように熱くなる。


ーーーきっと、龍輝を好きになれるなら、彼氏になるなら、


こんなつらい思いしないで、ただ幸せだけが溢れる恋が出来るのかもしれない。


けど私はーーー